Chapter1   Pythonで実行

(?!a)

 最初の例として、文字列パターンが (?!a) の場合を考えます。

これは、a 以外 とその前にある文字の間にマッチします。

対象文字列が map なら m と 先頭あるいは、p とその前にある a や、末尾と p の間です。

    re_meta22_1.py

        import  re

        pattern = re.compile("(?!a)")
        st = "map"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 予想通りの位置にマッチしました。

a を先頭や末尾にも並べて、 aaa のようにして実行してみます。

末尾と a の間のみヒットするはずです。

    re_meta22_2.py

        import  re

        pattern = re.compile("(?!a)")
        st = "aaa"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 これも想定通りの結果です。

次に空白を挟んで、a a を対象文字列とします。

    re_meta22_3.py

        import  re

        # a と a の間は半角スペース
        pattern = re.compile("(?!a)")
        st = "a a"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 スペースが存在しても、a 以外と、その前にある文字の間にマッチするという性質は変わりません。

もう一つ例を挙げます。

文字列パターンが (?!s) であり、対象文字列を seasons とする場合です。

    re_meta22_4.py

        import  re

        pattern = re.compile("(?!s)")
        st = "seasons"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 それぞれ s 以外の文字の前にマッチしています。

今度は、(?!s) だけでなく単語と組み合わせて使ってみます。

t(?!s)

 対象文字列は、registrants とします。

但し、文字列パターンを t(?!s) とする事で、s 以外の文字の前にある t という文字にマッチします。

    re_meta22_5.py

        import  re

        pattern = re.compile("t(?!s)")
        st = "registrants"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 狙い通りの t に一致しました。

次の例では、通貨表示が 元 以外である数字を取得します。

    re_meta22_6.py

        import  re

        pattern = re.compile("\d(?!元)")
        st = "5円 3元 9ドル 8貫文 €7"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 通貨表示が 元 以外の金額を取得出来ました。

しかし、ここでは €7 も対象になっています。

金額の後に通貨表示がある書式だけを、その対象にするには \B を併用しましょう。

(\B については【\B 単語の境界でない】で詳しく説明しています。)

    re_meta22_7.py

        import  re

        pattern = re.compile("\d(?!元)\B")
        st = "5円 3元 9ドル 8貫文 €7"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 €7 は除外できました。

メタキャラクタと組み合わせて、元 の他に ドル の値もその対象外にします。

(?= | )

 選択(OR)を表す正規表現は | です。

(| については【| OR(または)】で詳しく説明しています。)

\d(?!元|ドル) のようにすると、元 や ドル でない金額にマッチします。

    re_meta22_8.py

        import  re

        pattern = re.compile("\d(?!元|ドル)\B")
        st = "5円 3元 9ドル 8貫文 €7"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 5円と8貫文のみ得られました。

さて、この他にも $ を使ってみます。

$ は、文字列の末尾を意味します。

($ については【$ 文字列の末尾】で詳しく説明しています。)

 末尾以外の金額を抽出するには、以下のようにします。

    re_meta22_9.py

        import  re

        pattern = re.compile("\d(?!円$)")
        st = "1円 2円 3円 5円"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 5円以外を対象にできました。

続けて例を出します。

. 以外の文字の前にある数字を狙います。

. はそのまま使うと任意の1文字になってしまうので、\ (バックスラッシュ)と併用します。

(\ については【\ エスケープ文字の働き】で詳しく説明しています。)

    re_meta22_10.py

        import  re

        pattern = re.compile("\d(?!\.)")
        st = "7.8 3 a.m"
        print("↓ 対象文字列\n"+st)
        result_iter = pattern.finditer(st)
        for  result   in  result_iter:
            print("match:",result.group())
            print("位置",result.span())        
                            

実行結果

 . 以外の前にある数字のみを取得出来ました。